政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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政治学B(中京八事/2009秋)の記事一覧
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2010
02/07
Sun
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

試験の結果について 

1/26に定期試験を実施しました。すでに採点を終え、成績表も提出しましたので、その結果について、統計的データを公開するとともに、若干のコメントを付しておきます。

受講者数 181名
受験者数 143名   (試験受験率  79.4%)

試験(70点満点)の平均点 61.9点 (※残り30点はレポート点 10点×3回=30点)

試験の成績が平均点の場合、仮にレポート点が0点だとしても単位取得となる。

評点全体(100点満点)の平均点は、77.0点だった。


レポート点(30点満点)と合わせた合計点(100点満点)による合否。

                (構成比 対受験者数)
S(90点以上) 28名   (19.5%)
A(80点以上) 56名   (39.2%)
B(70点以上) 34名   (23.8%)
C(60点以上) 14名   (9.8%)
D(60点未満) 11名   (7.7%)
F(不受験)    38名       (-)

合格率(対受験者数比) 92.3%

試験を受けた者のうち、92.3%が合格(=単位取得)。19.5%がS評価であった。A評価以上は、58.7%と、6割近くがA評価以上であった。

春学期と比べて、合格率が高かった。

コメントをいくつか。

1)今回は例年に比べて、評価Dの者は少なかった。評価Dの11名のうち、レポート提出0回の者が8名と圧倒的であった。ちなみに、この8名の試験の平均点は10.6点であった。レポート提出1回の者が2名(試験の平均点は15.5点)、レポート提出3回の者1名(試験15点)であった。

※今回D評価の者はレポート点がたとえ満点だったとしても、試験の点が極めて悪く、まったく合格可能性がない。いわゆる箸にも棒にもかからない状態だった
ことは残念である。

2)C評価14名のうち、レポート点を加えた100点満点中、65点以上が5名、60点以上65点未満が3名、55点以上60点未満が3名、50点以上55点未満が3名であった。本来ならば60点以上をC評価(合格)とすべきところ、50点まで救済した。

3)試験の評点を70点にしたことで、まったくレポートを提出しなくても単位を取得した者が5名いた。



追伸:来年度は本務先の学長職に専念するため、長年にわたる中京大学での非常勤にピリオドを打つことになりました。長い間ありがとうございました。この場を借りてお礼申しあげます。
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Posted on 14:40:00 «Edit»
2010
01/19
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第14回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第14回


「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡
第2回 1996~2000
漂流5年 “数”をめぐる攻防」
(2009年11月2日(月) 午後10時00分~10時49分
総合テレビ)

「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡
第3回 2001~2009
小泉 そして 小沢 “民意”をめぐる攻防」
(2009年11月3日(火) 午後10時00分~10時58分
総合テレビ)

を見た。

「権力政治」の現実を「共通の利益」実現のための政治という観点から眺めてみる。
それぞれの政治家にとっての「共通の利益」とはなにかということを考えながら見る。
さまざまな争いあう「共通の利益」の存在について理解を深める。
有権者にとっての「共通の利益」の変動についても理解を深める。
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Posted on 14:40:00 «Edit»
2010
01/12
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第13回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第13回


「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡
第1回 1993~1995
“政権交代” 誕生と崩壊の舞台裏」
(2009年11月1日(日) 午後9時00分~10時08分
総合テレビ放送)

を見る。

「権力政治」の現実を「共通の利益」実現のための政治という観点から眺めてみる。
それぞれの政治家にとっての「共通の利益」とはなにかということを考えながら見る。
さまざまな争いあう「共通の利益」の存在について理解を深める。
有権者にとっての「共通の利益」の変動についても理解を深める。
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Posted on 14:40:00 «Edit»
2009
12/22
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第12回 

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第12回

政治とどうつきあうか
「善き生」と政治

「正」か「快」かを超えて
人は「正義」なしには生きられない
異なる「正義」のぶつかりあい

「快」や「楽」は、「苦」が前提
人間の生は「苦楽」から逃れられない


「生存」のための政治
「よく生きる」以前に、「生きる」こと

「善き生」をめぐる争いを避けること

「善き生」よりも「生存」(ホッブズ)
強制力による共存(正しさをめぐる争いからの脱却)
公共的権力の必要

「政治」という人間固有の営み
「善き生」のための政治か
「生存」のための政治か

「よく生きる」前に「生き」なければならない
「生存」することを目的(前提条件)に、「善き生」をめざす
複数の正義が争いあう中で、共存していく可能性と条件を探り、作り出すこと

人は政治にのみ生きるにあらず
自分にとっての「正しい」と、みんなにとっての「正しい」
公と私の区別

人は政治にのみ生きるにあらず
すべての人がいつでもどこでも政治にばかりつきあっているわけにはいかない

押し付けとしての政治
「みんなにとっての問題」
「自分にとって」大切な問題とは限らない

「自由意思」で決められるわけではない
こちらがいやでも向こうからやってくることがある

完全に避けるわけにはいかない政治とのつきあい

なぜ政治学は役に立たないか

政治とは、自由な意思を持つ人間の間の共存のための営みであり、特定の基準で割り切れるような共通の解をもたない
専門的な科学によってとらえきれない多面的な人間の営み

「科学としての政治学」の限界

政治と政治学
人を動かす技術としての政治
何らかの専門的な学問をやったからといって身に付くものでもない
政治家にとって役に立たない学問としての政治学

政治現象の認識の学としての政治学
政治とは何か?という問いの欠落
政治という営みがなぜ人間にとって重要な営みであるのか?にもかかわらずなぜ疎遠なのか?

政治とは何か 政治学とは何か
政治とは何か、政治的な問題とはどのようなものか、について理解する心と感覚をもたなければ、政治学にはならない

何が政治であるのか、政治的に重要な問題が何であるのか、についてはあらかじめ決まった答えはない

本書の出発点であり、結論


文献案内
マックス・ウェーバー,職業としての政治
同,職業としての学問
ザ・フェデラリスト
シュンペーター,資本主義・社会主義・民主主義

バーナード・クリック,政治の弁証
アンダーソン,想像の共同体
文献案内
プラトン,国家
ホッブズ,リヴァイアサン
ロック,統治論

牧野雅彦,政治思想への招待
同,ヴェルサイユ条約(中公新書)



レポート課題(その3)
『政治学はなんの役に立つか』
これまでの授業を踏まえて、可能な限り「自分の言葉で」まとめること。
A4用紙1枚にまとめること。

■提出日 1/19の授業時  (遅れて提出の場合には、1/26の試験答案提出時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。) レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと
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2009
12/15
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第11回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第11回

結局、政治とはなにか

人は「正義」なしには生きられない
異なる「正義」のぶつかりあい

「正しく生きる」「よく生きる」ための政治
「人々に媚びへつらうことではなく、人々をより優れた人間にし、よりよく生きることができるようにすること」
「善き生」の手段としての政治(プラトン、アリストテレス)

「生存」のための政治
「よく生きる」以前に、「生きる」こと
「善き生」をめぐる争いを避けること

「善き生」よりも「生存」(ホッブズ)
名誉や威厳
私的利害
理性
言語
権利
契約

強制力による共存(正しさをめぐる争いからの脱却)
公共的権力の必要


「政治」という人間固有の営み
「善き生」のための政治か
「生存」のための政治か

「よく生きる」前に「生き」なければならない
「生存」することを目的(前提条件)に、「善き生」をめざす
複数の正義が争いあう中で、共存していく可能性と条件を探り、作り出すこと

悪魔との共存?
どのような悪魔なら、どのような条件の下で協調することが可能か、どの程度なら妥協すべきか
あらかじめ決まった基準はない

チェンバレンかチャーチルか
いかに能力が優れていようが、いかに歴史的経験を踏まえようが、すべてを事前に判断できるわけではない
時間が経ってみないとわからない

創り出されるものとしての「公共性」
あらかじめ判断基準や共通解が存在しないところで「ともに生きる」ための共通解を見出そうとする営み
「公共性」はあらかじめ存在しているわけではない
政治という営みによって作り出された公共性が、さらに人々の生活と政治の新たな条件を創り出していく
連続的・歴史的な過程としての公共性

公共性の創出と維持

歴史と政治
「歴史的行為」
歴史的行為を記憶し物語る「歴史」という営み
「善き生」と「正当化」
「神話」や「伝説」や「民族の物語」

「神話」と区別される「歴史」の必要
「正義」の相対化としての「歴史」
古代ギリシアにおける「歴史学」

何が正しいか
「時間」が経ってみないとわからない
「立場」によっても異なる

死活問題としての政治
政治とは、妥協や取引きや駆け引きを含む営み

そもそも妥協すべき相手なのか
共通の利益から降りることも交渉の一つのカード
前もって判断できるのか
「賭け」の要素を含むものとしての政治的「決断」
決断に対するさまざまな評価や批判
「歴史」による評価
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2009
12/08
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第10回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第10回


戦争と正義
正義の戦争はあるのか

くにとはなにか
国民国家と主権
国家間戦争とはなにか

内政と外交
共存のための技術としての内政
共存のための技術としての外交


「みんな」とは誰か?
さまざまな「みんな」
~クラス、学校、市、県、国
「みんな」の利益のくい違いや対立
⇒より大きな「みんな」の利益が優先されやすい
より大きな公共性の範囲

いまなお一番大事な公共性の範囲としての「国」
国家主権と戦争

世界全体のみんなかそれぞれの国のみんなか

文化とアイデンティティ
くらし方の違い、考え方の違い
文化を共有する集団としての民族や種族(エスニック)

アイデンティティ
自分はいったい何者なのか
自分の居場所はどこか
集団と個人
誰のために生き、誰のために死ぬことができるか

民族どうしの争い
正しさとはなにか

アイデンティティと相対化

共通の利益や公共性の単位としての国家や民族
国民国家(ネイション・ステイト)の時代
文化と言語コミュニケーション
「生きるのに必要な幻想」としての「想像の共同体」
生の意味、死の意味
民族の自己主張としてのナショナリズム
民族、宗教、主義、家族、血縁、、、

政治は「その他大勢」を相手にしなければならない
ナショナリズムの相対化


国民国家の基盤としての エスニックな共同体

国家とは
エスニックな共同体を基盤に組織された政治的共同体
「国家」および「国民」を形成する

エスニックとは外見的容姿や習俗(生活習慣)や言語の共通性を持つ集団
あるいは植民や移住の思い出(ウェーバー)

エスニックな共同体とは、「血統や起源を同じくしている仲間であると考えている人間の集団」

エスニックな共同体を構成する条件
集団固有の名前を持っていること
共通の神話を持っていること
共通の歴史的記憶を有していること
共通の文化を持つこと
特定の故国との結びつきを持っていること
構成員の多くに連帯感が存在すること
(アンソニー・スミス)
1~6は、相互に密接に関連

アイデンティティと文化
アイデンティティのよりどころとしての文化
集団に共通の文化は、世界と社会における自分の位置を示し、自分は何者であるかを確認してくれる存在
何のために、どのように生きればいいか、生きる意味と手がかりを与えてくれる存在
共通文化と連帯感

アイデンティティにとって、人々の外見的な所作や立居振舞、衣服、食事や住まいなどといった生活上のこまごまとした習慣などを通じて自ずとあらわれる文化の違いは、大きな意味を持つ

言語とナショナリズム
共通文化は共通言語に媒介される
新聞(NEWS)の時間的消費(アンダーソン)
国民とは、文字言語を媒体として多くの人々の頭の中で想像され共有されるようになった「想像の共同体」(B.アンダーソン)
文字媒体による自己表現
ナショナル・アイデンティティ
文字言語の文化的影響力
政治的な権力性


生きるための幻想~「死の意味づけ」
死に意味を与える存在
国家、国民、祖国、宗教、主義、家族、、、
生きるための幻想

相対的に多くの人を包括しうる幻想であった「エスニックな共同性」
エスニックな共同体を基礎にした主権的政治的組織としての「国民国家」

主権国家とは?
主権とは
一定の領域内における絶対的排他的な統治権
主権国家としての近代国家は、軍事・警察等の物理的強制のための手段を唯一正当に独占する
「国家とは、ある一定の領域の内部で、正統な物理的暴力行使の独占を要求する人間共同体である。国家以外のすべての団体や個人に対しては、国家の側で許容した範囲内でしか、物理的暴力行使の権利が認められないということ、つまり国家が暴力行使への「権利」の唯一の源泉とみなされているということ、これは現代に特有な現象である」(ウェーバー)

正統な物理的強制力の担い手 としての国家
主権国家内の争いは、-最終的には物理的強制力の発動によってでもー決着がつけられねばならない
「決着をつけなければ守れない共通の利益、公共の利益、国益が存在する」
主権国家存立の前提

共同体の死活の利益を擁護しなければならないと人々が感ずる
国益が存在する根拠

多民族国家における統合問題

単一のエスニック集団に依拠する国家
比較的統合は容易

複数のエスニック集団から構成された国家
国民共同体全体の文化と少数者の文化の折りあい

政党制を通じた統合
エスニックな共同体が特定の地域とつながりを持たない場合

連邦制や自治権の付与を通じた統合
エスニック集団と特定の地域が結びついている場合

共存のための技術~政治とはなにか
物理的な強制力の発動を最終的な担保としながら、強制力の発動をできる限り回避するために、お互いの利益や意見の相違をぎりぎりのところで調整することを迫られる
政治とは、互いの共存のために利害対立や意見の争いを調整したり妥協をはかったりしようとするさまざまな営み、すなわち「共存のための技術」

政治という営みは、物理的強制力の発動や、他者への強制としての権力とただちにイコールではない~「他者との共存の可能性をひらく試み」


内政と外交
主権国家内部における内政としての政治
(物理的強制力の発動を背景に、)その構成員に互いの利益や意見の相違を調整したり妥協をはかったりすることを要請する
「政治」という営みを通じて「共存」を要請する存在としての主権
主権国家間の政治としての外交
共存は絶対的要請であるとは限らない
対立が調停できなければ、決裂もしくは戦争
国内の場合には「内乱」


戦争と政治
戦争の場合には、なにがなんでもいずれかが勝たなければならないわけではない
共倒れの回避と共存のための政治の可能性

戦争の目的とは
必ずしも相手を殲滅するための殺し合いではない
相手を動かすための手段
共存のための努力としての政治の放棄
政治としての外交


ナショナリズムと政治
一国の利益を超える営みとしての政治~外交

ナショナリズムの核心にあるアイデンティティ
国民的使命感と自国の存在根拠
文化的使命(ウェーバー)
他の国民とは異なる存在であり、世界の中で果たすべき特別の役割、歴史的な使命があるという観念
他の文化に対する優越性ないし独自性
文化的使命と正義の主張
国際政治における共存の技術

ナショナリズムの相対化
共存のためにはお互いに対立しあう複数の「正義(使命)」を相対化しなければならない
共存のためにお互いの「正義」の間に折りあいをつける営みとしての政治
主権国家相互のあいだで、「共存のための技術」としての政治が要請されている
主権国家内とは違った困難がある

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2009
12/01
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第9回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第9回


議会制成立の前提条件
合法的権力掌握の条件としての議会制

政権掌握の条件

支配が成立するための条件
幹部(スタッフ)
正統性

議会主権のための条件

革命と内乱

官僚制と軍隊
支配のための条件
スタッフと正統性

国家機構を維持するスタッフとしての官僚制と軍隊
行政官僚制と軍事官僚制

議会で多数をとっても官僚機構と軍隊の支持がなければ政権を維持できない

官僚制
近代官僚制の特徴としての「形式的合理性」
形式主義(非人格)的に服従
「社長が変わっても服従する」~近代的
「社長が変わったら服従しない」~前近代的

特定の政権に仕えるのでなく、国家(公益)に仕える
社長に仕えるのでなく会社(社益)に仕える

政権が交代しても彼らの利益は維持されるという条件が必要
旧来の官僚機構が機能する条件(「没個人的」義務感情)

権力の平和的移行と軍隊
平和的政権交代と軍隊の態度
平和的な権力移譲の条件
軍隊が支持するか否か
軍隊(全部又は一部)によるクーデター

いかなる社会階級・社会層の軍隊か
権力移行を支持する軍隊
権力移行に反対する軍隊
権力移行に中立的な軍隊

スタッフ(官僚・軍隊)と正統性
シビリアンコントロールの条件
社会集団としての軍隊~いかなる社会集団か
社会内における軍隊の位置~近代化の程度

国内の社会層や政治勢力が二分している
⇒内乱につながりやすい

最終的に正統性を保証する機関(担い手)はどこか


教会と君主
正統性付与の機関としての教会と君主

宗教的権力と政治的権力
神政政治から皇帝教皇主義まで
政治権力の「神授性」

カリスマ的権威と君主
政治的・軍事的権威から宗教的権威まで


教会
政治的権力と宗教的権威との親近性と競合性

正統的な教団組織がある場合
教会の態度によって
内乱が未然に防止されたり
体制移行に際して軍の介入を思いとどまらせたり

宗派の争いがある場合
内乱の可能性
政教分離や宗教的寛容の原則の形成へ


君主
世襲カリスマとしての君主
政治的・軍事的君主から祭司的・宗教的君主まで
正統性の担い手としての君主

非常時の権力と君主制
日本の天皇制は非常時の権力たりうるか


君主制の政治的機能

非常時の権力をめぐって
非常時の正統性の担い手
君主制(世襲カリスマ)
教会や宗教的指導者
大統領制
帝政(一代限りのカリスマ)
クーデターや内乱のリーダー

支配権の継承をめぐる争い
正義と法を遵守する君主制
さもなくば、内乱か革命か

内乱か革命か
世襲君主制の政治的機能(ウェーバー)
内乱か革命か
「司法権が地上にない場合」(ロック)
「天に訴える」
実力で勝敗を決する

力の正義から勝者の正義へ
勝者の正義による敗者の断罪の危険
敗者の「戦争責任」論への反対(ウェーバー)

勝敗と正当性
「正当性があったから勝ったのではなく、ただ単に実力で勝った」 ~疑いようのない事実

「勝者の自己正当化」 ~さまざまな論理
「敗者の自己正当化」 ~さまざまな論理

「勝敗という事実」と「自己正当化の論理」は別物
「我々は戦いに敗れ、君たちは勝った。もはや戦いの決着はついた。」
「これからは、戦争原因を作った諸利害に応じて、他方でとりわけ勝者に負わされることになる将来に対する責任のことも考えて、今後のことを話し合おう。」
くだらない自己正当化の論理は役に立たないばかりか有害

正しいものが勝つとは限らない
正義は必ず勝つのはマンガの世界
正義が必ずしも勝たないのが政治の世界
そもそも正義とは?

「勝者の正義」による支配にはリスクが伴う
勝者による敗者に対する過度の賠償要求
ヴェルサイユ条約の戦争責任条項の問題点
ヴェルサイユ体制崩壊からナチスドイツへ

戦争と正義
正義の戦争はあるのか

くにとはなにか
国民国家と主権
国家間戦争とはなにか

内政と外交
共存のための技術としての内政
共存のための技術としての外交

---
レポート課題(その2)【再掲】
テキスト『共存のための技術』p.99<演習問題>1と2に答えよ。
合わせてA4用紙1枚にまとめること。

■提出日 12/15の授業時  (遅れて提出の場合には、12/22の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。) レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと
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Posted on 14:40:00 «Edit»
2009
11/24
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第8回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第8回

選挙にのりだす
新規参入は可能か?
やみくもに自分の政治的所信を訴えかけても多数の議席を獲得できない
政党の数と構成(=政党システム)の大枠は決まっている

社会階層・階級、地域、宗派・・・・

どの社会層に働きかけるのか
競合する既成政党はどこか
自分たちの特色はどこにあるのか

自分たちの置かれている位置
政党と社会層との関係
歴史的社会的条件によって形成されてきた
宗教改革や市民革命のプロセス
カトリックとプロテスタントの対立
中央と地方の利害関係の組織化
地域間の利害対立、宗派対立、民族対立
農村の土地所有者と都市の資本化
農業と工業など産業部門間の利害関係
資本家と労働者の階級対立

社会的利害対立と社会層の形成

社会層を代表する政党の数と構成に影響

イギリスにおける二大政党制
比較的平和な形で順次利害対立が解決されてきた
宗派対立(清教徒革命から名誉革命へ)
都市と農村の利害対立
労働者と資本家の利害対立

国教会vs.非国教会(トーリーとホイッグ)
土地所有者vs.都市の工業(保守党と自由党)
保守・資本家vs.労働運動(保守党と労働党)


選挙制度と政党システム
小選挙区制と二大政党制

小選挙区制にもかかわらず多党制であったドイツ(1871年~)
社会民主党、中央党、保守党、国民自由党、左翼リベラル

ドイツの政党システム
1871年ドイツ帝国による国民的統一
宗派対立、地域利害対立、社会経済的利害対立に基づく国民各層の分裂
⇒そのまま、政党の数と構成に反映

社会民主党~産業化の過程で形成された労働者階級
中央党~宗教的少数派としてのカトリック政党、地域利害
保守党~プロテスタント政党、東部地主層を代表
国民自由党~プロテスタント系市民層、プロイセンによる帝国建国に協力
左翼自由主義諸派~プロテスタント系市民層、プロイセンの支配に反対


第一次大戦の敗北とドイツ帝国崩壊
ワイマール共和国へ
政党の構成は継続
⇒社会民主党
⇒中央党
保守党⇒国家人民党
国民自由党⇒人民党
左翼自由主義諸派⇒民主党

+比例代表制の導入による小党乱立

議会内多数派による安定的政権運営が困難に


共和制の崩壊とナチスの政権掌握
ワイマール共和国における政党得票率(議席数)の推移
共和制後半期(多数の政党の乱立)
民主党と人民党の衰退(自由主義政党の衰退)
ナチスの台頭
プロテスタント市民層がナチスを支持
戦後のインフレと不況による没落の危機に瀕した中間層

民主党、人民党支持→国民人民党支持→ナチス支持へ


社会民主党
しっかりした組織基盤としての労働組合

中央党
カトリック教会という組織基盤


ナチス党の社会的構成
ホワイトカラー(25.6%)
農民(14.1%)
手工業者と自営業者(9.1%)
商人(8.2%)
自由職業家(5.0%)
教師(1.7%)
その他の公務員(6.6%)
以上、社会全体の平均値より高い
労働者(28.1%)
社会全体の平均値よりはるかに低い
(デートレフ・ポイカート)


政党システムへの新政党の新規参入
既成政党が従来の支持基盤を喪失したりして、政党構成が大きく変動することが必要

既成政党から離れた階層
既成政党システムに組み込まれていなかった層

既成政党を超える急進的な政策や新たな争点の提示

ナチス党~ヴェルサイユ条約に対する国民の反感を組織化することに成功した


政党制再編の条件
いかなる争点を提示すべきか
保守主義・リベラル・社会民主主義vs.脱物質主義的価値観?
エコロジー、ジェンダー、「ニュー・ポリティクス」…?

政党編成を促すような争点とは、
社会構成員の大多数の実質的利害に関わり
構成員の立場がそれによって二分される争点
⇒政治の場で解決を迫られるような争点


戦線の形成
新規参入から政権獲得へ
ナチス党
1933年3月選挙 得票率43.9%(44.5%の議席)
政権掌握直後の選挙

自由な選挙のもとで絶対的な多数を獲得することがいかに困難か

同盟者と支持基盤
いかに強力かつ多数の支持基盤をもつ政党といえども選挙を通じて-議会のルールに従って-政権を獲得し維持していくためには、同盟者が必要
安定的な多数派連合を形成する必要
(潜在的な)敵の切り崩しや無力化、中立化


政党と利益団体
社会主義政党と労働組合
ブルジョア政党と経済界、業界、農業関係団体
宗教諸宗派など

その国の社会的対抗関係

政党と利害団体との密接な結びつき
だが、政党は社会的諸利害のストレートな代表ではない

政党と利益団体
利益団体の経済的な重要性と政治的な影響力は必ずしも一致しない

政党指導者は、自己の政党の支持基盤のもつ社会的利益に配慮する必要はあるが、それに完全に拘束される必要はないし、拘束されるようではだめ

ワイマール共和国の解体
多党制⇒三党以上の政党による連立政権
社会民主党、中央党、民主党の連立
=「ワイマール連合」
大連合= 「ワイマール連合」+人民党

労働者政党、カトリック政党、ブルジョア自由主義政党の連立
複雑な利害対立の存在
社会主義的政策、世俗教育と宗教、、、

ワイマール共和国の解体
ワイマール連合を中心とする微妙なバランスと妥協
社会民主党と自由主義諸政党との間の妥協
労働者と資本家との間の妥協
ワイマール憲法における「自由権」と「社会権」
 ~「社会国家」

⇒1929年の世界恐慌
失業者の増大、失業保険法改正をめぐる対立
大連立内閣の崩壊

議会内多数派による内閣の不可能⇒大統領内閣へ
大統領ヒンデンブルクによるヒトラーの首班指名へ

議会制の前提条件
議会内多数派形成の失敗

議会制成立の前提条件
合法的権力掌握と革命
革命と内乱

---
レポート課題(その2) 【再掲】
テキスト『共存のための技術』p.99<演習問題>1と2に答えよ。
合わせてA4用紙1枚にまとめること。

■提出日 12/15の授業時  (遅れて提出の場合には、12/22の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと
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2009
11/17
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第7回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第7回

政党とはどういう組織か?
「民主的な選挙による権力獲得を前提とした組織」=「議会制民主主義のもとでの政党」
⇔「反体制政党」=「合法的な選挙による勝利が第一の目的ではない場合」=異なった組織になる

議会制民主主義のもとでの政党
「集票のネットワーク」
「選挙で票を獲得するための人々のつながり」
「多数をいかに獲得するか」
そのための資源と人材をいかに確保するか

名望家政党から大衆政党へ
名望家の集団としての政党
「名望家」とは、地主、聖職者、教師、医師、弁護士、富農、製造業者などの「財産と教養ある地元の名士」
名望家を中心とする代議士たちの個人的なネットワーク=議会内存在=「院内政党」
⇒社会の近代化・産業化・都市化・民主化
産業革命後の都市問題、労働問題などの発生
「選挙権の民主化」⇒「有権者の支持の調達」
「選挙エージェント」と「議会外組織」の形成

支持者の組織化
英国における「コーカス」
市政改革、都市の公共的基盤整備、福祉等に対処するための住民参加の組織
日本における「革新自治体」
工業化・都市化に伴う社会構成の転換とそれに対応した政治組織の再編成
米国における「マシーン」政治と「革新主義」
「マシーン」政治
都市に流入する移民労働者たちへの仕事の斡旋や便宜を通じて集票
「革新主義」
腐敗防止と市政改革、予備選導入など、集票組織の民主的統制

副業から職業へ
職業としての政治
専業としての政治、政治に専念する余裕
経済的余裕の存在
時間的余裕の存在
経営に縛られた企業家には余裕がない
地主などの金利生活者

自由人の営みとしての政治
古代ギリシア以来、自由人の営み
生存のための労働から自由な人間

オイコスとポリス
必然の領域としての家共同体(オイコス)
自由の領域としてのポリス(政治的共同体)
必要(必然)の克服はポリスの自由のための条件
自由の手段としての暴力
必然からの解放としての暴力

古代ギリシアにおける自由な市民
女性や奴隷の労働の上に立つ家父長制的男性市民だった
貧しい市民への公務への参加=日当

「公共の事柄への関与」と経済的時間的余裕

政治と収入
財産や収入のない者が政治に関与するには
⇒職業としての政治

政治から何らかの形で生計の糧を得るしかない
議員歳費
当選前は?落選後は?
選挙や政治活動を支えるスタッフ(秘書等)の収入
選挙費用の資金

資金調達が必要

政党による雇用
政党が雇用する
スタッフの給与
選挙資金
政党の収入源

一般党員による党費や寄付や機関紙収入
⇒相当数の一般党員を組織する必要
⇒集票のための組織としては他の形態も可能
パトロネージ(官職任命権)
政治献金

パトロネージと政治献金

パトロネージ
マシーンによる公職の配分
公職にともなう給与
賄賂やリベート
パトロネージ争奪戦としての政党間闘争
公的資金をめぐる争い

政治献金
財界や社会団体や個人からの政治献金
私的資金からの提供

⇒いずれにせよ腐敗に結びつきやすい

政党と腐敗
政党とは
私的な集団であるにもかかわらず、政治という公共的な営みに関わるという「矛盾した性格」
私的な利益を政治の世界へ媒介するパイプとしての役割
政党を通じての利益の実現自体は否定できない

腐敗はなぜ起こるのか
腐敗とは?
個別利益が個別的に実現することが問題

特定の関係者の個人的つながりで選ばれるのか
公的な調整過程を経て結果として選ばれるのか

「いずれの利害を優先するかの調整の場が、公的な形で、すべての個別的利害に対して平等に開かれ、誰もが批判しうるというオープンな形で、開かれているのであれば、結果として選ばれた個人の利益は公的な承認を得たことになる」

政治的な意味での「腐敗」とは?
個別的利益が公共性の観点からコントロールされずに実現すること

私的利害をいかに公共性の観点から統制するか

政党組織が、議員による個人的個別的なネットワークから、一般党員(市民)の参加に基づくフォーマルな組織へと転換することは、公共的コントロールの可能性を広げる
個別的利益が議員個人の私的な関係を通じて実現することを阻止しうる

政治腐敗はなくなるか?
アメリカ合衆国における「予備選挙」制度
マシーンによる政治腐敗を抑止する制度


私的利益と公的利益の調整は永遠の課題

⇒政治腐敗の問題も永遠の問題たらざるをえない

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レポート課題(その1)【再掲】
テーマ 『政治とはなにか』
これまでの授業を踏まえて、可能な限り「自分の言葉で」まとめること。
■提出日 11/24の授業時  (遅れて提出の場合には、12/1の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。) レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと

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レポート課題(その2)
テキスト『共存のための技術』p.99<演習問題>1と2に答えよ。
合わせてA4用紙1枚にまとめること。

■提出日 12/15の授業時  (遅れて提出の場合には、12/22の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと
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2009
11/10
Tue
Category:政治学B(中京八事/2009秋)

政治学B(中京八事/火3/2009秋) 第6回  

2009年度秋学期
政治学B
政治とはなにか

第6回

なぜ政治をやろうとするのか?
なぜ政治をやろうとする人がいるのか?

大義?権力?カネ?
政治自体に金がかかる
あまり儲かる商売ではない

政治とは
権力+共通の利益

活動的市民と受動的市民

選挙による選抜

政治への参加は各人の自由に委ねるべき

私的利益と公共の利益

「多数者の利益=公共の利益」とは限らない

利害関係者の営みとしての政治


選挙とは
優れた人を選抜する
やりたい人を選抜する

積極的・活動的な市民と消極的・受動的な市民の存在


政党とは
政治に積極的に参加する一部の人間集団

自由社会においては、政治参加は各人の自由(自発性と責任)に委ねられている


選挙(議会制)とは
積極的な利害関心を持つ人々(政党)に政治参加への通路を開いておいて
国民の支持をめぐってお互いに競争させることで
結果として「公共の利益」を実現させる制度

多数者の意志は確認できるか
投票のパラドックス

選好順序 ① ② ③
市民A x y z x>y y>z
市民B y z x z>x y>z
市民C z x y x>y z>x

①政策x > 政策y
②政策z > 政策x
③政策y > 政策z


不完全情報の世界と 政治的リーダーシップ
投票のパラドックスの前提
「市民それぞれが政策のそれぞれについて完全な知識を持っている」という前提
社会的選択論

完全情報の世界は存在しない
人々は不完全情報の世界に生きている

不確実な世界における政治リーダー選出のメカニズムとしての民主制
(シュンペーター)

民主主義的装置の目的

選挙民に政治問題の決定権を帰属せしめること
代表を選ぶこと

代表を選ぶこと
選挙民による問題の決定
「人民の役割は政府を作ること」

「民主主義的方法とは、政治的決定に到達するために、個々人が人民の投票を獲得するための競争的闘争を行うことにより決定力を得るような制度的装置である」(シュンペーター)

二つの民主主義観
「人民は自らの意志に基づいて政府を選び、政府は人民の意志を忠実に実行する」

⇔(能動的政府と能動的企業家)
「選挙とは、選挙民の支持を求めて、政治家とその集団としての政党が互いに競争しあう市場のようなもの」

比例代表か小選挙区制か


政党はなぜ必要か
「完全情報の世界」と直接民主主義
「不完全情報の世界」と議会制民主主義

活動的な市民と受動的な市民

活動的な少数者と受動的な多数者

政治参加は強制しうるか

積極的・活動的少数者の存在の肯定へ

積極的少数者の存在を認めるか
政治生活における各人の自由意思を認めるか否か

リーダーとフォロワーの存在

自由な営みとしての政治
政治は自由な営みか?


レポート課題(その1)
テーマ 『政治とはなにか』
これまでの授業を踏まえて、可能な限り「自分の言葉で」まとめること。

■提出日 11/24の授業時  (遅れて提出の場合には、12/1の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)

レポートの提出様式(授業用ブログに掲載)に従うこと
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