政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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Posted on 14:27:51 «Edit»
2007
10/31
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(レポートその2/2007秋) 

レポート課題(その2)は次の通りとする。

■テーマ 「憲法とは?」

☆憲法とは何か?憲法とは何であると思うか?

☆個人的意見を自由に展開せよ。

■注意 引用にあたっては、引用部分をかぎかっこで囲むと同時に、引用文献(著者名、著書名、出版社、出版年、ページ)を必ず明示すること。
■提出日 11/13の授業時
(遅れて提出の場合には、11/20の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)

レポートの採点基準と提出様式についてはここをクリック
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Posted on 14:25:10 «Edit»
2007
10/31
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(第6回/2007秋) 

第6回(10/30) 立憲制度と国民形成 

   
 
立憲主義と国境
• 立憲主義とは何か
• 国境の枠内?
• 国境を越える立憲主義?
立憲と立法のあいだ
• 立憲と立法の違いは何か?
• 立憲的枠組内での立法
• では、立憲はいかなる枠組の中でおこなわれるのか?

革命と立憲
• 革命的状況と立憲的権力
• 新しい統治の構築手段としての立憲主義
コード化と秩序形成
• 国境(境界線)=主権的境界=境界内安全・保障
• 主権性の構築~司法、立法、行法
立憲主義とは?
• 超越的コードの設定
• 憲法は不可侵ではないが超越的である
• どの程度超越的か 軟性~硬性
憲法の改正
• コード崩壊、コード形成
• ハビトゥスとコードのずれ
• 制度化の一環としての法
• 上位コードとしての憲法
ナショナリズムと立憲主義
• 立憲主義はナショナリズムを超えうるか?
• ナショナリズムを超える立憲主義?
国境を越える立憲主義
• 起源としての、USAにおける「立憲主義」
• UNにおける「立憲主義」への挑戦
• EUにおける「立憲主義」への挑戦
州憲法と合衆国憲法
• 州憲法を超えるものとしての合衆国憲法
• 州憲法の研究
• 連邦の統治機構形成としての立憲主義
立憲主義とは?
• 主権(統治機構)構築としての立憲主義
• 人権保障としての立憲主義(あとからの追加)
立憲主義の要素
• 対外的主権
– 独立・自由・安全・軍隊
• 対内的主権
– 元首・政府・議会・課税権・立法権・金融=中央銀行
– 人権保障
constitutionalな諸要素の比較
• イギリス立憲君主制
• アメリカ州憲法と合衆国憲法
• フランス人権宣言
イギリスは
いつ立憲主義を確立したのか
• 1688年名誉革命
• 1689年権利章典
・古来の権利の再確認
・議会によらない恣意的な課税は違法
・平時の常備軍は議会の承認を必要とする
• 1694年三年議会法
・三年に一回行われる総選挙に基づく議会の招集
1694年イングランド銀行の設立(模範としてのオランダ)
・公的負債システムの確立、政府の歳入基盤
・貿易と信用取引
• 1701年王位継承法(王権をさらに制限し、臣民の諸自由をいっそうよく維持するための議会制定法」
・元首のconstitutional化、立法への従属化
• 立憲主義へのあとからの追加としてのマグナカルタと権利の請願(と権利の章典)
• 近代立憲主義からのあとからの読み込み
マコーリーのホイッグ史観
• 「イングランドの民主的な諸制度の役割」
• 暴力と流血の抗争から名誉革命による「歴史上最も美しい制度」へ
エイザ・ブリッグズ『イングランド社会史』p.242-
• 名誉革命=立憲主義の確立なのか
英国においては、そもそもコンスティテューションなる語がいつから使われ始めたのだろうか?
合衆国憲法の成立
• 「大陸会議で、1777年に承認された合衆国最初の憲法である「アメリカ連合規約」(1781年発効)では各州の大幅な主権が認められ、中央政府である連合会議(連合規約の発効以後は大陸会議はこう呼ばれた)には国防・外交・鋳貨などの権限は認められていたが、徴税権・通商規制権・常備軍の保持などは禁じられていたので、政治的・経済的な困難が続いていた。」
合衆国憲法の成立
• 「そのため、商工業者を中心とする連邦派(フェデラリスト)は強力な中央政府の樹立を望み、彼らが中心となって1787年5月にフィラデルフィアで憲法制定会議が開かれた。」
合衆国憲法の成立
• 「憲法制定会議では、強力な中央政府の樹立を主張する連邦派と各州の自治・主権を主張する州権主義の立場から憲法草案に反対する反連邦派(アンチ=フェデラリスト)が対立したが、結局各州の大幅な自治を認めながらも中央政府の権限を従来よりも強化する連邦主義・三権分立・人民主権を基本とする世界最初の民主的な近代成文憲法である「アメリカ合衆国憲法」が採択され、1788年に発効した。」(以上、http://www.sqr.or.jp/usr/akito-y/kindai/51-america3.htmlより抜粋)

合衆国憲法の役割
• 州レベルの憲法への対抗としての連邦憲法構想
• 対外独立(自由・対等・安全)の防波堤としての憲法
• 対外独立(対外的主権)と国内統一
• 国家形成=国民形成(対内的主権)の確立
合衆国憲法の役割
• 日本等における外見的立憲主義と共通する課題
• フランス立憲主義との違い
– 絶対主義的主権の枠内にあったため、対外独立と対内統一という課題が免除された
立憲主義と国境
• 立憲主義とは何か
• 国境の枠内?
• 国境を越える立憲主義?
市場と立憲主義
• 「市場経済を典型とする独自の経済生活の領域が公と私の緩衝材として働く社会の方が、立憲的民主主義は良好に機能する。」
(『平和』p.104)
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Posted on 13:38:20 «Edit»
2007
10/24
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(第5回/2007秋) 

第5回(10/23) 立憲制度はどう使われたか
国民国家形成と外交において、立憲制度はどのように使われたのか。いくつかの例を通じて考察する。

はじめに~八木秀次『日本国憲法とは何か』4~7章から論点を取り出す

「立憲主義」=「権力を制限するために生まれたもの」=「制限政治」
神の意思による制限/古き良き法(コモンロー)による制限
ゲルマン古代からヨーロッパ中世~「古き良き法の回復」による制限政治=「中世的立憲主義」

「イギリスは中世的立憲主義を継承している」
「混合政体」としての「イギリス立憲主義」~君主制(行政)、貴族制(司法)、民主制(立法)
モンテスキューの「混合政体」論=「三権分立」論→アメリカにも影響
イギリスにおける「コモンロー」と「主権」の対立(p.80)
ジョンロックの社会契約論=コモンローからの断絶という側面
(以上第4章)

伝統からの断絶としての「アメリカ独立宣言」~ロック社会契約説の全面開花
「歴史を持たない国」=「アメリカ合衆国」の誕生
ザ・フェデラリストにおける「権力分立」と「混合政体」の思想
(以上第5章)

フランス人権宣言(⇔天賦人権説)
「歴史からも共同体からも切り離された抽象的『人間』」
ペイン(人間の権利)vs.バーク(高貴な自由)
モンテスキューvs.ルソー
ルソーの社会契約論~「一般意思」と「立法者」の思想
人民主権論と国民主権論
(以上、第6章)

明治憲法をどう評価するか
受動的君主(立憲君主制)か能動的君主か
内閣制の弱体と元老による補完
内閣制不全の立憲君主制としての明治憲法体制
(以上、第7章)

論点
イギリスにおける内閣制の発展/立憲君主制との関係
フランス革命後/混合政体化への長い道のり
断絶としてのロック/モンテスキュー的混合政体化
アメリカ独立宣言におけるロック/合衆国憲法制定におけるモンテスキュー
アメリカにおける混合政体/フェデラリストとモンテスキューと合衆国憲法
明治憲法における内閣不全


軍事・政治的要因
(外交)軍事と(内政)治安
経済的要因
国際市場(通商・貿易)と国内市場(流通・契約)
統治と民主化(戦争への動員、経済成長への動員)


主権の構築
「近代国家の主権は、教会・大学・同業者組合など、国家と個人の間に位置する社会内部の中間団体の保持してきた特権を絶対君主が吸い上げ、国内で最高にして国外に対して独立の政治権力を確立することで成立している」(『平和』p.90)

国民の形成
「身分制秩序は破壊され、中央の強大な政治権力の反対側には、それまで所属していた中間団体から放り出されて、裸の個人となった国民が成立する。」「国民は、平等な権利を享有する個人の集合にすぎない」(『平和』p.90)

人権の保障
「この政治権力の統一と平等な個人の創出を完成させたのが、近代市民革命の典型といわれるフランス革命である。」(『平和』p.90)
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Posted on 13:08:38 «Edit»
2007
10/17
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(レポートその1/2007秋) 

レポート課題(その1)は次の通りとする。

■テーマ 「立憲主義について」
☆図書館等を利用し憲法学その他の文献から、「立憲主義」についての異なる「定義」を3つ以上調べあげ、それらを正確に引用した上で、自らのコメントを付す形で立憲主義について論じること。
■注意 引用にあたっては、引用部分をかぎかっこで囲むと同時に、引用文献(著者名、著書名、出版社、出版年、ページ)を必ず明示すること。
■提出日 10/30の授業時
(遅れて提出の場合には、11/6の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)


レポートの採点基準と提出様式についてはここをクリック


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Posted on 08:39:52 «Edit»
2007
10/16
Tue
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(第4回/2007秋) 

第4回(10/16) 立憲制度はなぜ必要とされたか

立憲制度成立の世界史的背景について概説する。産業資本主義の発展と市場化という文脈を軸に整理する。立憲主義成立の経済的要因について考える。

はじめに~長谷部『憲法とは何か』第2章の整理

「立憲主義を、そしてそれに基づくリベラル・デモクラシーを採らないという選択も当然ありうる」(『何か』p.36)

長谷部においては、「立憲主義」イコール「リベラル・デモクラシー」である。

「憲法」=「立憲主義」ではない  「立憲主義なき憲法」


第二次大戦と冷戦の理解について

「相手方の権力の正当性原理である憲法を攻撃目標とする二つの陣営の敵対状況であ」る。「それは、一方の陣営が自らの憲法を変更することで終結」する。(『何か』p.36)

ここで「憲法」とは、「憲法典」ではなく、「国家の基本となる構成原理」のこと。「国家の基本となる構成原理」の変更=「体制変革」



19世紀後半における軍事技術の革新

戦争への「国民動員」体制=国民の政治参加(民主化)の進展と福祉国家政策の導入

「いかなる国家形態が、国民全体の安全と福祉と文化的一体感の確保という国民国家の目標をよりよく達成しうるか」をめぐる「争い」

「三者の闘い」~リベラルな議会制民主主義/ファシズム/共産主義

シュミットの議会制民主主義批判=民主主義の貫徹による議会主義の否定=「公開の場における大衆の喝采を通じた治者と被治者の自同性」=人民意思を代表する指導者

議会制民主主義より民主主義的な体制としての「ファシズム」と「共産主義」

ファシズム(民族主義)と共産主義(階級主義)

多元化と分裂の否認、友敵の区別、国民の同質性・均質性の達成

←議会主義の危機に対する反動

第二次大戦によるファシズムの排除

冷戦終結による共産主義の敗北

「冷戦は、異なる憲法原理、国家権力の異なる正統化根拠を掲げる二つの陣営の戦争状態であった」(『何か』p.52)

「表面的には、それは市場原理に基づく資本主義陣営と、計画経済に基づく共産主義陣営の対立と見えたかも知れない。」「しかし、資源の配分方法に関する対立は、そもそもの憲法的対立から派生する二次的対立にすぎない」(『何か』p.52-53)

「リベラルな議会制民主主義の体制は、立憲主義の考え方を基本としている」(『何か』p.54)

「冷戦の終結は、リベラルな議会制民主主義が、したがって立憲主義が、共産主義陣営に勝利したことを意味する」(『何か』P.56)

立憲主義=「比較不能な価値観の並存という現実を認めた上で、共存をはかる考え方」「公と私の区分」「私的領域では、各自の世界観に基づく思想と行動の自由を保障」「公的領域では、それぞれの世界観とは独立した、社会全体の利益に関する冷静な審議と決定のプロセスを確保しようとする」(『何か』p.54)

「同一の憲法原理をとる国同士の間にのみ長期的に安定した関係がありうる」(『何か』p.59)



経済要因と戦争要因の関係

憲法原理の対立の根拠~憲法的対立はなぜ生じたか?

近代=立憲主義

前近代としての共産主義とファシズムという理解



<次回予定>
次回までに、下記テキストの第4章~第7章を読んでおくこと。

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Posted on 12:50:55 «Edit»
2007
10/10
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(第3回/2007秋) 

第3回(10/9) 立憲制度をめぐる諸議論
長谷部氏の立憲主義論を中心に考察することで、社会契約論的立憲制度論、民主主義的立憲制度論、自由主義的立憲制度論について整理する。

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※上記のテキストの第1章および第3章の1

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※上記のテキストの序章および第二部(第3章~第6章)


立憲主義をめぐる諸議論

長谷部氏の「立憲主義」理解について

1)価値観は多元的かつ「比較不能」 

「価値観の多元化した世界」「価値観は相互に比較不能」

これは「与えられた事実」である。

2)ゆえに、価値観の相違にもかかわらず相互の「存在を認め合い、社会生活の便宜とコストを公平に分かち合う、そうした枠組み」として、「立憲主義」が生まれた。

3)そのために「立憲主義」は、人々の生活領域を「私的な領域と公的な領域とに区分する」。「公と私の二つに区分しようとする」。

「私的な生活領域では、各自がそれぞれの価値観に沿って生きる自由を保障」

「公的な領域では、価値観の違いにかかわらず、社会のすべてのメンバーに共通する利益を発見し、それを実現する方途を冷静に話し合い、決定することが必要」

4)よって、「価値の多元化した世界で、人々の立場の違いにかかわらず、公平な社会生活の枠組みを構築しようとするならば、立憲主義の考え方に頼らざるを得ない。」(以上、『何か』p.10-11)

この理解の前提には、共通する根底的価値としての「自己保存」(「財産の保全」を含む)がある。(『平和』p.50)

社会契約論者における「自然権」の主張=「異なる価値観の共存しうる社会の枠組みを構築しよう」と意図=これが、「立憲主義のはじまり」

「自然権論」成立の経緯=「多様な価値の比較不能性」という認識(『平和』p.54-56)

「フィクションとしての自然権」、「フィクションとしての社会契約」(『平和』p.89-90)→フィクションとしての立憲主義



近代国家の構成要素としての「主権」と「国民」(『平和』p.90)

史実に基づく立憲主義とは、「対外的主権の構築(国家形成)」と「対内的主権の構築(国民形成)」ではないのか。アメリカにおいては対外的主権の確立がまず課題となり、フランス絶対王政下では対外的主権はひとまず確立されており、それゆえ対内的主権の構築(国民形成)が課題となった。また、独立後の合衆国は、対外的主権の安定的存続と対内的主権の構築(国民形成)の必要から合衆国憲法の制定を必要とした。~国民国家システムと立憲的国民国家

アメリカ独立は、「立憲的国民国家の時代」の始まり

イギリスにおける王政の立憲主義的変容(絶対王政ではなくて制限王政)。イギリス絶対主義の立憲主義的国民国家への脱皮。(マグナカルタも権利の請願も、イギリス国民国家が立憲主義的に変容したがゆえに歴史的文書たりえたとはいえないか。)~イギリスはいつから立憲主義国家になったか?



長谷部の立論は、リベラルデモクラシーの立憲主義

・「天皇主権と資本主義的経済秩序」=「国体」=「戦前の憲法の基本秩序」

(『何か』p.23)

・リベラルデモクラシーの憲法における立憲主義

+平和主義としての日本国憲法



リベラルデモクラシーは、「立憲主義を基底とする民主主義体制」

広義の立憲主義=「政治権力あるいは国家権力を制限する思想あるいは仕組み」⊃「「人の支配」ではなく「法の支配」」

狭義の立憲主義=「近代国家の権力を制約する思想あるいは仕組み」=「近代立憲主義」~「私的・社会的領域と公的・政治的領域との区分を前提として、個人の自由と公共的な政治の審議と決定を両立させようとする考え方と密接に結びつく」(「二つの領域の区分は古代や中世のヨーロッパでは知られていなかった」)=比較不能な「価値観の多元性」が前提

(『何か』p.68-)

長谷部は、狭義の立憲主義を理念的に正当化するにあたって、その正当化根拠を、近代国家の自然状態として「比較不能な価値の多元性」状況を措いた。

だが、むしろ、対内的には、主権の構築としての立憲主義、国家形成としての立憲主義、国民形成としての立憲主義という視点が必要ではないか?

対外的には、主権の確立=対外独立(分離)と対等化の要求として立憲主義が要請されたのではないのか。

たとえば、明治憲法の評価。長谷部はそれを「立憲主義なき憲法」と言うのだが、そうした立論は立憲主義のそもそもの成立過程を軽視する、立憲主義の歴史的実態からはかけ離れた、「理念としての立憲主義」についての議論にすぎない。

われわれが必要としているのは、史実に即した立憲主義の定義。



「立憲主義なき憲法」~「憲法典への服従と立憲主義とを同一視するわけにはいかない」(『平和』p.12)

では、「立憲主義」とは?(ヘンキン教授)

1)人民主権と代表民主制

2)権力の分立および抑制・均衡、個人の人権の尊重を通じた国家権力の制限

長谷部によれば、1)は民主主義の要素、2)が立憲主義。両者は衝突しうる。

「民主主義に基づいて行使される国家権力でさえ制限される」=「立憲主義の強みと謎」(『平和』p.13)

「憲法典による権力の制限が民主主義と衝突しうる」「なぜそれが正当化されるのかを改めて問うべき」「民主主義の力とその限界」

長谷部:立憲主義による民主主義の制限は正当化されるべき。

半民主主義的立憲主義者としての長谷部


次回の予定

第4回(10/16) 立憲制度はなぜ必要とされたか
立憲制度成立の世界史的背景について概説する。産業資本主義の発展と市場化という文脈を軸に整理する。立憲主義成立の経済的要因。


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※上記のテキストの第1章~第3章1までを読んでおくこと。

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Posted on 13:03:13 «Edit»
2007
10/03
Wed
Category:政治学B(中京/2007秋)

政治学B(第2回/2007秋) 

第2回(10/2)
再イントロダクション(受講上の注意について)

アメリカ独立戦争からアメリカ合衆国憲法制定へ、そしてフランス人権宣言へ

アメリカ独立宣言の特徴。独立・分離。自由と対等。国家間関係における分離と対等。対外的課題。
フランス人権宣言の特徴。憲法による人間と市民の自由と平等の保障。人間間・市民間関係としての自由と平等。対内的課題。

両者の間を埋めるもの=アメリカ合衆国憲法制定過程の検討が重要。

立憲主義成立に際しての対外的課題と対内的課題。
立憲主義の中身としての統治の仕組みと人権の保障。

次回以降、当面、次の二冊を主に使用するので、次の二冊は必ず授業時に持参すること。

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※次回授業時までに、上記のテキストの第1章および第3章の1を読んでおくこと。

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※次回授業時までに、上記のテキストの序章および第二部(第3章~第6章)を読んでおくこと。

次回の予定

第3回(10/9) 立憲制度をめぐる諸議論
社会契約論的立憲制度論、民主主義的立憲制度論、自由主義的立憲制度論について整理する。長谷部氏の立憲主義論を中心に。

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