政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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04月の記事一覧
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Posted on 11:13:50 «Edit»
2008
04/25
Fri
Category:政治学A(中京豊田/2008春・水2)

「政治学A」(中京豊田/2008春/水2)第3回 

格差社会から成熟社会へ 
2008 年度春学期 中京大学「政治学」講義 第3回

橘木俊詔『 格差社会』 を読む
本書の構成
・格差の現状(第1章)
・格差の要因(第2章)
・新しい貧困層の出現(第3章)
・格差社会のゆくえ(第4章)
・格差社会の是正策(第5章)

格差拡大の要因(第2章つづき)

賃金決定方式の変化

中央集権的な賃金決定方式(「春闘方式」)


分権化方式へ
(企業レベルの交渉方式→個別賃金決定方式)


1)企業間格差の増大
2)個人間格差の増大
3)地域間格差の増大

年功序列賃金から成果主義賃金へ
• 生活給としての年功序列賃金方式

• 平等主義への不満
• 能力主義・成果主義方式の導入へ

• 公平に評価する制度がうまく機能するか?

税の累進度緩和 と 社会保険負担の増
• 税の累進度の緩和による、再分配後所得の格差拡大

• 社会保険料の逆進性と保険料アップ


構造改革と格差
• 構造改革は経済の活性化を促進するが、格差拡大を助長する。

• 80 年代構造改革路線
• 市場原理の活用と減税政策と福祉見直し

• 所得分配の不平等化
• 財政赤字と歳出カット

日本の構造改革
• 不良債権の処理に成功
• 地方の無駄な公共事業の削減

• ただし、格差は拡大
– 支出削減の中身が問題(社会保障給付費の減と貧困層の増大)
– 地域間格差の増大(公共事業に代わる地域支援策を)
– 日本のセイフティネットの脆弱性

新しい貧困層の出現(第3 章)
• 誰が貧困者となっているのか?( 年齢別)

– 高齢者の貧困率がもっとも高い
– 次いで、若者の貧困率が高い

– 中年層の貧困率は最も低いが、70 年代・80 年代に比べると高くなっている

新しい貧困者層の出現
• 誰が貧困者となっているのか?( 世帯類型別)

– 母子世帯の貧困率がもっとも高い
– 次いで、高齢単身者の貧困率が高い

– 29 歳以下の若者の貧困率も増えている

母子家庭が貧困となる理由
• 子育てと両立しながら働く場所が少ない
– フルタイムで働けない場合が多い
– 職に就いたとしても低賃金の場合が多い

※ 離婚率の高まりにより、母子家庭の数が増えつつある

高齢単身者が貧困となる理由
• 夫に先立たれた女性の高齢単身者が多い
– 所得が遺族年金(夫の年金額より低くなる)
– 70 歳以上は無年金の人が多い( 年金未加入or加入期間が短い(25 年未満))

– 子供の同居による支援や経済的支援がない

若年者が貧困となる理由
• 日本の不景気が最大の理由
– 若者の失業率の増加
• 勤続年数が短く、失業保険の額も少ない

– フリーターなど非正規労働者が多い
• 低賃金


低所得労働者は何を意味するか?
• 日本の最低賃金の低さ

• 非正規労働者(若者と女性)の存在

• 女性の平均賃金の低さ
• パートタイム賃金の低さ
• 年功序列型賃金の影響

※離婚率、未婚率の上昇による単身女性、母子世帯の増加⇒女性の貧困の深刻化

富裕層の変容

1億円以上の高額所得者

– 企業経営者
– 医者

• 他に、芸能人、プロスポーツ選手、弁護士等
• 経営者

– 従事する産業の変化
– サラリーマン経営者⇒創業経営者の増加
– 企業規模の変化(小企業・高額収入)

• 医者
– 富裕層の15%が医者
– 医学部進学の過熱化

– 優秀な人材の集中(≠適正さ)
– 診療科目の人材配置のゆがみ( 美容外科増)
– (勤務医⇒)開業医志望者の増加

富裕層の変容
• 汗水たらして働くよりも、所得や資産を増大させることに関心

• 「法人成り」の増加

• 租税回避のための海外逃避など

地域格差の実態
• 失業率全体の増による地域間格差の顕在化
• 有効求人倍率の地域間格差
• 県民所得に見る地域間格差

• 公共事業の削減と地域支援策の欠如

「機会の平等」の浸食
• 「全員参加」と「非差別」の原則

• 教育における機会不平等の拡大
• 職業における機会不平等の拡大
– 政治家と医者

※ 階層固定化の傾向
※ インセンティブ・デバイドの強化

性による機会 不平等へ?
• 女性と教育の機会平等

• 女性と就職の機会平等

• 昇進における機会平等


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Posted on 11:25:48 «Edit»
2008
04/20
Sun
Category:政治学A(中京豊田/2008春・水2)

レポート提出様式&質問コメントについて(案内) 

レポート提出様式およびレポート作成上の注意およびレポート評価基準については下記のリンクを参照すること。

レポート提出様式について(レポート採点基準およびレポート提出様式の記事を含む。)

本ブログへの質問コメントの投稿にあたっては次のリンクを参照すること。

質問コメントについて
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Posted on 11:20:08 «Edit»
2008
04/18
Fri
Category:政治学A(中京豊田/2008春・水2)

「政治学A」(中京豊田/2008春/水2)第2回 

格差社会から成熟社会へ 2008 年度春学期  中京大学「政治学」講義  第2回

橘木俊詔『 格差社会』 を読む

『日本の経済格差』(1998年)から10年。~~「一億総中流」社会から「格差」社会へ

1980年代からの格差の拡大

本書の構成
・格差の現状(第1章)
・格差の要因(第2章)
・新しい貧困層の出現(第3章)
・格差社会のゆくえ(第4章)
・格差社会の是正策(第5章)
格差の現状(第1 章)
• 所得・資産・消費~所得データの信頼性
• 再分配前所得と再分配後所得

• 代表的なデータソース
– 所得再分配調査(厚生労働省、3 年おき)
– 家計調査(総務省、毎年)
– 全国消費実態調査(総務省、5 年おき)
– 賃金構造基本調査(厚生労働省、毎年)

1)所得再分配調査
• 厚生労働省、3 年おき

• 国内のあらゆる人々が対象

• 税と社会保障に関する情報が豊富

• 「4つの中で一番信頼性が高い」

2)家計調査
• 総務省、毎年

• 単身世帯が対象外(ごく最近まで)

• 農業従事者が対象外( ごく最近まで)

• 「過去の状況を連続的に調べることができない」

3)全国消費実態調査
• 総務省、5 年おき

• 二人以上の家計に重点(単身世帯のウェイトが小さい)

• 「あらゆる日本人の標本について分析できない」


4)賃金構造基本調査
• 厚生労働省、毎年

• 賃金しか計測されていない(働いていない人が対象外~事業者、農家、年金生活者など)

• 従業員10 人以上の企業のみが対象


1)所得再分配調査を中心に、
それぞれのデータのメリット・デメリットを認識しつつ、
総合的に分析することが必要。


ジニ係数の上昇
• 1936 年、 イタリア の 統計学者コッラド・ジニ に が 考案

• 人々が完全平等=0(ゼロ)
• 人々が完全不平等=1

 「数値が1に近づくほど所得分配の不平等度が高い」

厚生労働省 平成17年所得再分配調査報告書の表8 所得再分配による所得格差是正効果(ジニ係数、等価所得) (P.18) をグラフに起こしたもの

国際比較 OECD調査による比較

出典:[wikipedia:ジニ係数]


不平等度の高い国
アメリカ
イギリス
イタリア
ポルトガル
ニュージーランド

中程度の国
フランス
ドイツ

日本

平等度の高い国
フィンランド
デンマーク
スウェーデン
オランダ
オーストリア
ノルウェー


貧困問題の深刻化
絶対的貧困層の増大

• 生活保護世帯の増加

• 貯蓄ゼロ世帯の増加

• 自己破産申し立て件数の増加

• ホームレスの増加


貧困問題の深刻化
相対的貧困層の増加(国際比較)

• 国の平均所得の50%以下を貧困者と定義

• OECDの2000年の統計(OECD(2004))
• 日本の貧困率は15.3%で、メキシコ、米国、トルコ、アイルランドに次いで5番目に高い(※)。
※ 2005年には2番目となった
• 西欧諸国は大半が10%以下で、特に全調査国中最も低かったデンマークを筆頭に北欧諸国が低い。

出典:[wikipedia:貧困率]

参考:日本の貧困世帯率ワースト2

参考:図録▽相対的貧困率の国際比較


統計の誤差
• 富裕層の所得実態の把握しにくさ

• 貧困層・単身者の統計からの漏れ

• 実態は数字以上に深刻。

• 直近の実態はわからない(統計は過去の数字)

高齢単身者の貧困者の増加
• 少子高齢化の影響
• 家族構成の変化
• セイフティーネットの縮小・後退

• 近年の景気回復傾向?


格差拡大の要因(第2 章)

• 長期不況の影響(1991 年以降)

• 失業率の上昇
– 公表失業率と潜在失業率
– 失業の期間(長期失業者の増大)

• 雇用システムの変化

– 非正規労働者の増大(期限付、派遣、請負・・・)
• 時間当たり賃金の格差
• 短い労働時間
• 不安定な雇用


非正規労働者が増えた要因
1)不景気の影響
2)社会保険の事業主負担を免れるため
3)解雇しやすい
4)雇用調整
以上、企業側のメリット。

• 非正規希望の若年層や既婚女性、高齢者
• 労働市場の規制緩和と企業参入の自由化
• 消費者利益とワーキングプア


非正規労働者が減らない理由
• サービス残業(時間外労働に対する賃金未払い)という実態
– 禁止すれば、賃金支払いか、新たな雇用創出へ
• 景気回復が正規労働者増につながらない
– 非正規労働者を雇用するメリットを学習
– フリーターを正規労働者に採用しない傾向(教育・訓練のコストというデメリット)
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Posted on 11:47:27 «Edit»
2008
04/09
Wed
Category:総合案内

質問コメントについて 

このブログにコメントとして質問を書き込む場合は、次の要領に従ってください。

「苗字(ひらがな)+学科名(略称)+学籍番号の下3桁」をコメント内にわかるように必ず入れてください。

例:「たかはし体148」
tb: --    com: (0)
Posted on 11:41:34 «Edit»
2008
04/09
Wed
Category:政治学A(中京豊田/2008春・水2)

政治学A(中京豊田/水・2/2008春) 

4月9日 第一回授業/イントロダクション

授業の概要についてシラバスに基づいて説明した。

テキストの追加と修正について説明した。
【教科書・教材】
格差社会―何が問題なのか (岩波新書、橘木俊詔)(←追加)
格差社会から成熟社会へ(大月書店、碓井敏正・大西広編)



次回は、格差社会の現状と要因について講義する。(テキスト『格差社会』第1章、第2章)

受講生はテキスト『格差社会』を持参すること。
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Posted on 19:34:26 «Edit»
2008
04/06
Sun
Category:政治学A(中京豊田/2008春・水2)

シラバス(政治学A/豊田/水・2/2008春) 

中京大学Webシラバス←ログインが必要です。

上記シラバスを下記のように一部修正しますので履修を希望する学生は、しっかりと確認のうえ受講すること。
赤字で指示した箇所が追加・変更点【要確認】

科目名 政治学A
開講年次 1~4年次春学期(1・3・5・7セメスター)
単位 2
担当者名 高橋 肇
副題 格差社会から成熟社会へ
開講曜日 水曜
開講時限 2限
年度 2008

授業概要
政治学Aでは、市場のグローバル化と全面化が進展するなかで進行する格差社会化の現実を認識すると同時に、地球社会の成熟化に向けた国家や世界社会の課題について考察する。講義概要は以下のとおりである。
第一に、格差社会をめぐる諸問題を概観する。一国内での格差社会化にとどまらず、地球的規模での格差社会化を問題とする。第二に、世界市場の拡大・深化と格差社会のメカニズムについて考える。第三に、格差社会化を是正する論理について考察する。一国内における是正にとどまらず、地球社会レベルにおける是正をめぐる諸問題についても検討する。
格差社会化の論理と成熟社会における格差是正の論理について、マクロ的および地球社会レベル、国際レベル、国家レベルにおいて考察するだけでなく、ミクロ的および集団的、個人的レベルにおいても考察することを目標とする。

授業目標
市場のグローバル化と全面化が進展するなかで進行する格差社会化の現実を認識する。地球社会の成熟化に向けた国家や世界社会の課題について考える。主として、次の点についての理解を深めることを目標とする。
1)格差社会をめぐる諸問題。2)格差社会化の諸相。3)一国内での格差社会化。4)世界市場と国境を越える格差社会。5)地球的規模での格差社会化。6)格差社会化のメカニズム。7)格差を是正する社会的論理。
地球社会レベル、国際レベル、国家レベルにおけるマクロ的課題を認識するだけでなく、集団的、個人的レベルにおけるミクロ的課題を認識することをも目標とする。

授業方法
講義形式で行う。板書と資料配布等は必要最小限しか行わない。口述による講義が中心となるので、ノートテイクは各自が工夫して行うこと。また、講義の概要は逐次、個人ブログ(中京/2008春)に掲載する(URL:http://jimt.blog52.fc2.com/)。授業のなかで参考文献を多数紹介する。紹介された参考文献のうち3~4冊を受講期間中に読破することを授業理解の前提とする。試験以外にレポートを4回課す。レポートの内容は授業で指示する。

成績評価方法・基準
定期試験(60%) 課題・レポート(40%) 

教科書・教材・参考文献
【教科書・教材】
格差社会―何が問題なのか (岩波新書、橘木俊詔)(←追加)
格差社会から成熟社会へ(大月書店、碓井敏正・大西広編)
授業中に、別途、教科書や参考文献の追加を指示する場合がある。個人ブログ(中京/2008春)にも掲載する(URL:http://jimt.blog52.fc2.com/)

【参考文献】
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く(ちくま文庫、山田昌弘)(←追加)


質問への対応
質問はすべて授業時に受け付ける。授業時間中に質問時間を設ける。また、個人ブログ(中京/2008春)(URL:http://jimt.blog52.fc2.com/)へのコメントとして質問することも可能である。ただし、その際には、コメントに学籍番号を明記すること。

授業計画
■春学期
No. 項目 内容
1 イントロダクション 授業の概要、履修にあたっての注意事項
2 格差社会とはなにか 格差社会をめぐる諸議論について概観する。
3 格差社会の諸相 格差社会化の諸相について概観し、論点を整理する。
4 格差社会化をめぐる諸論点 格差社会化をめぐる諸議論を検討し、格差社会化をめぐる論点を整理する。
5 一国内における格差社会化 一国内における格差社会化をめぐる諸議論とその論理あるいはメカニズムについて考察する。
6 世界市場と格差社会 世界市場における格差社会化の論理とメカニズムについて考察する。
7 資本主義と格差社会 世界市場、産業社会、資本主義、格差社会の関連をどう考えるか。
8 帝国と植民地 植民地主義とはなんだったのか。格差社会との関連で考える。
9 国民国家と格差社会 国民国家システムにおける新しい国際秩序の形成と格差社会の関連について考える。
10 格差是正の論理(福祉社会) 生活領域における格差是正の論理を福祉を手がかりに考察する。
11 格差是正の論理(労働社会) 労働所得領域における格差是正の論理を労働組合運動を手がかりに考察する。
12 格差是正の論理(株式社会) 生産手段の社会的所有をめぐる格差是正の論理を株式制度に探る。
13 格差是正の論理(ミクロ社会) 生活世界における格差是正の論理を探る。ベースとしての市場社会と自由主義、民主主義。
14 市場社会と平等主義 市場における自由、民主主義、平等主義の関係について整理する。
15 試験

履修者へのコメント
履修生は、授業のテーマに興味を持ち、授業目標を理解する学生であること。
レポート課題についてはすべて授業中に指示する。レポート課題はそれぞれ本一冊相当(本でない場合もある)を読んだ上でのレポート作成となる。履修者はこの点を了解しておくこと。
レポート各10点×4回、計40点と筆記試験60点を合計して評点をつける。出席は自己管理すること。
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