政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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Posted on 14:40:00 «Edit»
2009
05/26
Tue
Category:政治学A(中京八事/2009春)

政治学A(中京八事/火3/2009春) 第7回  

2009年度春学期
政治学A
日本の政治の現在


第7回

歴史と比較の中の自民党システム

「戦前との連続か断絶か?」を超えて
行政官僚制と議会~江戸期の特殊性
分権的幕藩体制と近代行政官僚制の萌芽
村方役職者への「入れ札」などの「民主化」
しかし、近代議会の萌芽は無し

封建制の成熟にもかかわらず、身分制議会の発展が見られなかった。

ヨーロッパ:血みどろの近世における議会の発展
日本:平和な近世江戸期における議会の不必要

近世江戸期と戦後の共通性
戦争と外交の回避
国内平和と経済的繁栄

日本における自民党システムの特殊性
与党と行政官僚制との緊密な協働体制

行政官僚制と与党
行政官僚制が先行し、そこに与党自民党が覆いかぶさる

江戸近世の統治システム
近代官僚制の原型の形成
勘定所
行政を担う武士、試験による採用、能力主義・実力主義による昇進、階層的行政組織の形成 (足高の制、御家人株・・・)
他方における、議会の不在

明治期における官僚制の整備
江戸期の遺産
武士層の中から人材育成
豪農・商人層などの知的階級の存在
全体的な教育水準の高さ

明治維新以降における近代官僚制の完成のスピードの早さ
戦前日本における行政官僚制の成熟

成熟した行政官僚制と未成熟な議会
占領軍による行政官僚制の活用
陸海軍と内務省は解体
大蔵省を中心とする省庁官僚制は存続
「行政の温存と強化」(辻清明)

国会の未成熟
1955年の国会法改正
新憲法と自民党
議会多数派としての与党自民党
国民主権と唯一の立法機関としての国会

行政官僚制と与党自民党
妥協と役割分担
大臣の人事権の弱さ、行政的プロセスとしての閣議決定、行政官主体の内閣官房・・・
政調会、法案事前審査制・・・
一般会計と特別会計(⇒第5章)

分権性と合意重視のシステム
江戸期に形成された慣行

幕藩体制における集権性と分権性
農村の自治と豊かさ
城下町に集住、サラリーマン化する武士
所領支配からの切り離し(⇔イギリス)
「土地は農民のもの」(明治期「地租改正」)

江戸の民主主義 入れ札と合議制
入れ札(投票による役職者の選出)
名主、庄屋、年寄、百姓代・・・ 目付
合議制と輪番制
老中、目付、勘定奉行

「稟議制」

国家レベルにおける「議会」の欠落

議会とは?
王権による動員と合意の調達
戦争と外交
徴兵と課税(軍事力と経済力の動員)
国王と議会の妥協と協力

統治主体としての意思決定機関へ
フランス:王権と三部会の対立と決裂
ドイツ:協賛機関としての議会
イギリス:王権と議会による共同統治から議会下院の主権へ(「王は君臨すれども統治せず」)

国家運営の主体としての議会
リベラルリーダーシップの担い手としての議会

統治の主体的責任機関としてのイギリス議会

統治の責任機関としての議会の成熟と民主化

リベラルリーダーシップの確立後の民主化
イギリス
リベラルリーダーシップの確立無き民主化
フランス、ドイツ、日本

戦前日本の議会
主権的議会になりきれなかった
議会の核となるべき社会勢力の不在

戦後新憲法とリベラルリーダーシップの不在
意思決定の主体になりきれない国会
統治責任の行政官僚制によるカバー

⇒自民党と行政官僚制との妥協と役割分担の体制


「民主的幻想」
民主主義だけでは民主主義を維持できない
リーダーシップの必要性

ボトムアップとコンセンサスの強さ
リベラルリーダーシップの脆弱さ

民主主義の過剰?


議員になるハードル
兼任の禁止
兼職の禁止

政界への人材供給の狭さ
二世議員の多さ
競争の弱さ(一種の寡占状態)
インサイダー政治の強化と継続


比較の中の自民党システム
新憲法における国会優位規定

1955年まで:官僚主導と与党勢力不安定
1955年以降:自民党の成立
⇒官僚と自民党の協働と分担:保守政権の維持

1970年前後:自民党システムの成立
与党自民党の了解なしに政策が遂行できない体制

自民党システムと官僚の組織力
政調会、法案の事前審査制度
族議員、人事システム
国会(与党自民党)による予算と法律の掌握
⇒棲み分けによる官僚の影響力と権益の維持

官僚(各省庁)の組織力の強さ
各省庁設置法、権限と予算、集権的で自立的な人事管理体制、情報とネットワーク
行政的な大臣補佐機構(官僚任せの大臣)
大臣の政治的な補佐機構の弱さ
内閣官房という行政的なしくみ
各省の応援団として機能する族議員


自民党システムの制度化と安定
70年代~80年代:自民党システムの安定化
衆参両院における過半数の維持
政権を争う対抗する野党の不在

自民党内における人事と政策決定ルールの制度化
政調会、法案事前審査制、人事の年功序列、派閥によるポスト割りふり、現場主義とボトムアップ(中選挙区制)

国会審議の形骸化
国会外でおこなわれる事前審査(自民党総務会での了解)、国会審議の難しさと国会対策、質問取りと大臣答弁


執政中枢の弱さ
政府と与党の二元体制
「官僚内閣制」と「事前審査する与党」

首相のリーダーシップへの制約
合議制機関としての内閣、各省庁の縦割り体制、首相補佐機構の脆弱、行政機関としての内閣官房、派閥均衡人事としての党三役、族議員と鉄の三角形、合意重視の意思決定システム・・・

自民党政治家と官僚


次回、第5章「自民党システムの終焉」
自民党型戦後合意の崩壊
「戦後」、「冷戦後」、「グローバル化」
新しい政治システムへ?
行政から行法へ

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レポート課題(その2)
テーマ 『自民党政治の終わり』を読んで

自民党システムとは何か、自民党システムについてどう思うか、新しい政治システムの展望などについて自分なりに整理するとともに、自分の意見を展開せよ。

レポートの提出様式に従うこと

■注意 引用にあたっては、引用部分をかぎかっこで囲むと同時に、引用文献(著者名、著書名、出版社、出版年、ページ)を必ず明示すること。 

■提出日 6/16の授業時
 (遅れて提出の場合には、6/23の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)

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Posted on 14:40:00 «Edit»
2009
05/19
Tue
Category:政治学A(中京八事/2009春)

政治学A(中京八事/火3/2009春) 第6回  

2009年度春学期 政治学A 日本の政治の現在

第6回

映画「国会へ行こう」を見る

舞台は1993年
テーマは政治改革と自民党分裂(政界再編)

自民党システムとは何か?

インサイダー政治(業界と政治家、官僚機構)
個人後援会
派閥とは何か
派閥連合としての自民党
当選回数による年功序列システム
中選挙区選挙の実態
与党と国会、政党と国会
包摂か分裂か

歴史的文脈と国際比較
次週、第4章を読む。

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Posted on 10:53:26 «Edit»
2009
05/19
Tue
Category:放送大学 高橋ゼミ(政治学ゼミ)

放送大学(平成21年度第1学期) 5/26 第4回 

5/26のゼミの話題提供者

こざきさん(英語教育について)
いしこさん(政治と税財政について) 
にわさん(大統領的首相と政権交代について)

一人あたり5分程度(10分以内)の話題提供を行っていただき、ゼミ参加者全員 で討議する。

提供いただく話題をA4用紙1枚に簡潔にまとめ、事務室で人数分(21名 分)コピーしたものを持参してください。
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Posted on 14:40:00 «Edit»
2009
05/12
Tue
Category:政治学A(中京八事/2009春)

政治学A(中京八事/火3/2009春) 第5回  

2009年度春学期
政治学A
日本の政治の現在

第5回

『自民党政治の終わり』を読む
自民党システムとは何か?

自民党システムはどうなっていくのか?


自民党システムとは何か?

自然な与党
柔軟な党本部、個人後援会、派閥システム、行政官僚との関係

人事のルール
当選回数による年功序列、競争とリーダー、派閥内闘争

合意による意思決定
ボトムアップとコンセンサス、多元性、政府と与党

『自民党政治の終わり』第三章を読む

自民党システム

巨大で柔軟な党本部組織
ボトムアップとコンセンサスによる分権型意思決定システム
年功(当選回数)による平等な人事システム
官僚機構との共生メカニズムを通じて形成された巨大なインサイダー政治

巨大で柔軟な党本部機構
与党による事前審査を行うためのメカニズム
ボトムアップ型の政策プロセス
部会・調査会・委員会の多さ
細かく分化した政策分野での利益集約と審議
政府の省庁機構に対応した部会の設置
さらに細かく小委員会、調査会、特別委員会・・・
社会集団の諸利害への対応
予算項目への対応
省庁への対応と利益団体への対応

巨大で柔軟な党本部機構
特別(特命)委員会などの柔軟な設置
PT(プロジェクトチーム)方式の活用
政策的要請の変化に対応した小委員会の新設・改組・廃止など

膨大な個人後援会
党の地方組織の脆弱
議員の個人後援会が中心
中選挙区制の影響
自民党の足腰としての後援会組織
情報ソース、民意を測るアンテナ

属人集団としての個人後援会

派閥の効用と問題点
政治資金の調達と配分
ポストの配分
選挙候補者の発掘
新人議員の教育と育成
政策と情報の互助組織
意思統一の単位

分権的な自民党が統制力を発揮する仕組み
派閥会長による人事
権力や利益を独占せず、ポストを交代し合い、利権を分け合う体質

人事権を握る派閥会長

自民党システムにおける権力核としての派閥会長

族議員と派閥
政策決定における族議員の役割

政調会の部会、調査会、特別委員会で活動

脱派閥的な政策決定システム
派閥力学は後景に

派閥と自民党
ポストの配分と争奪
人材の発掘と育成

政策形成への間接的な影響

権力の主体としての派閥
派閥の緩やかな連合体としての自民党

「鉄の三角形」
行政官僚 = 族議員 = 業界・関連団体
日本型<官=業>体制

行政官僚⇒業界団体
業界団体⇒与党政治家
与党政治家⇒行政官僚

圧力団体⇒政治家⇒行政官僚(⇒予算・政策)

行政官僚と与党との協働
「官僚内閣制」
政治主導か官僚主導か

与党自民党と行政官僚との濃密な関係
「質問とり」、「答弁資料」・・・
圧倒的な組織力を有する官僚機構
官僚による政治家(大臣など)のコントロール

柔軟なボトムアップ型の包括政党
平等な社会  リーダーシップの欠如

派閥の合従連衡(派閥連合としての自民党)

明確な統合機関の欠如
総裁、三役
総務会(30名の総務による全員一致)

与党による事前審査制と族議員の力
「鉄の三角形」と省庁縦割りの割拠体制
政治的リーダーシップの欠如

自民党政権とは・・・

高度に民主的ではあるが
非統合的で求心力のない分断政府であった

自民党の人事システム
当選回数による年功序列システム
潜在的でゆっくりとした競争選抜
派閥によるゼネラリストの育成

当選回数による年功序列システム
一期目 「平」委員
二期目 副部会長~政務次官
三期目 国対委員~広報委・組織委副委員長~部会長
四期目 部会長~副委員長
五期目 国会常任委員会委員長
六期目 大臣として初入閣

潜在的でゆっくりとした競争選抜
初入閣までは横並び
以後は、処遇に大きな格差

六期目(初入閣)までにゆっくりと選抜

年功昇進の裏に隠れた競争
政調会内部の小委員長への就任
総務局長、副幹事長、政調副会長への就任

派閥内部における熾烈な競争
派閥領袖のポストをめぐる熾烈な闘争

全員参加型の平等な競争
派閥領袖の人事権の強大さ


合意重視の意思決定
ボトムアップとコンセンサス

小委員会 ⇒ 部会(←省庁に対応)
「ガス抜き」と「部会長一任」

部会 ⇒ 政調審議会 ⇒総務会
総務会は、全員一致が通例

多元的な仕組みの功罪
おしくらまんじゅう型の参加
部会体制による「仕切られた多元性」

拒否権集団の影響力の強さ
既得権の整理・縮小が困難
時間がかかる、迅速な対応ができない

トップダウンの欠如(決定の先送り)


二頭立ての馬車
政府と与党の二頭立て

与党による事前審査制
省庁担当課(原案作成)⇒与党部会小委員会⇒
部会(原案修正)⇒省庁内他部局との合議調整
⇒与党政調審議会⇒与党総務会⇒閣議決定⇒
国会提出

強すぎる国会と参議院
国会の権限の強さ
議事日程、議決方式の決定←内閣ではなく国会

政府による国会対策としての与党事前審査制
多数派与党から事前了解を取り付ける仕組み
(業界利益団体⇒)与党からの要求をあらかじめ反映

参議院の拒否権の大きさ

共存と非排除
共存と分裂回避~ポストの持ち回り

派閥事務総長会議による根回し

短い総裁任期、小刻みな総裁選
参院選での敗退の責任・・・

権力の分割と共有
巨大なインサイダー政治
業界団体の飲み込み
後援会を通じた有権者の飲み込み
野党の政策と支持者の飲み込み
福祉、年金、公害対策などなど

草の根からの競争と巨大な組織化
(包摂と共存による)インサイダー政治の限界
利権と腐敗  公共財や理念


自民党型「戦後合意」の崩壊
利益の配分から負担の配分へ
分断政府の機能不全
政=官の協働体制のゆらぎ

経済成長の鈍化
グローバル化


歴史的文脈と国際比較
次週、第4章を読む。


レポート課題(その1/2009春)
レポート課題(その1)は次の通りとする。 ■テーマ
「日本の政局について思うこと」
~日本の政局のこれまでとこれから

☆近年の日本の政局について、思うことを自由に展開せよ。

■注意 引用にあたっては、引用部分をかぎかっこで囲むと同時に、引用文献(著者名、著書名、出版社、出版年、ページ)を必ず明示すること。
■提出日 5/19の授業時 (遅れて提出の場合には、5/26の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)

レポートの提出様式について←必ず参照すること(規格外のレポートは受け付けないので注意すること)

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