政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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2009
05/12
Tue
Category:政治学A(中京八事/2009春)

政治学A(中京八事/火3/2009春) 第5回  

2009年度春学期
政治学A
日本の政治の現在

第5回

『自民党政治の終わり』を読む
自民党システムとは何か?

自民党システムはどうなっていくのか?


自民党システムとは何か?

自然な与党
柔軟な党本部、個人後援会、派閥システム、行政官僚との関係

人事のルール
当選回数による年功序列、競争とリーダー、派閥内闘争

合意による意思決定
ボトムアップとコンセンサス、多元性、政府と与党

『自民党政治の終わり』第三章を読む

自民党システム

巨大で柔軟な党本部組織
ボトムアップとコンセンサスによる分権型意思決定システム
年功(当選回数)による平等な人事システム
官僚機構との共生メカニズムを通じて形成された巨大なインサイダー政治

巨大で柔軟な党本部機構
与党による事前審査を行うためのメカニズム
ボトムアップ型の政策プロセス
部会・調査会・委員会の多さ
細かく分化した政策分野での利益集約と審議
政府の省庁機構に対応した部会の設置
さらに細かく小委員会、調査会、特別委員会・・・
社会集団の諸利害への対応
予算項目への対応
省庁への対応と利益団体への対応

巨大で柔軟な党本部機構
特別(特命)委員会などの柔軟な設置
PT(プロジェクトチーム)方式の活用
政策的要請の変化に対応した小委員会の新設・改組・廃止など

膨大な個人後援会
党の地方組織の脆弱
議員の個人後援会が中心
中選挙区制の影響
自民党の足腰としての後援会組織
情報ソース、民意を測るアンテナ

属人集団としての個人後援会

派閥の効用と問題点
政治資金の調達と配分
ポストの配分
選挙候補者の発掘
新人議員の教育と育成
政策と情報の互助組織
意思統一の単位

分権的な自民党が統制力を発揮する仕組み
派閥会長による人事
権力や利益を独占せず、ポストを交代し合い、利権を分け合う体質

人事権を握る派閥会長

自民党システムにおける権力核としての派閥会長

族議員と派閥
政策決定における族議員の役割

政調会の部会、調査会、特別委員会で活動

脱派閥的な政策決定システム
派閥力学は後景に

派閥と自民党
ポストの配分と争奪
人材の発掘と育成

政策形成への間接的な影響

権力の主体としての派閥
派閥の緩やかな連合体としての自民党

「鉄の三角形」
行政官僚 = 族議員 = 業界・関連団体
日本型<官=業>体制

行政官僚⇒業界団体
業界団体⇒与党政治家
与党政治家⇒行政官僚

圧力団体⇒政治家⇒行政官僚(⇒予算・政策)

行政官僚と与党との協働
「官僚内閣制」
政治主導か官僚主導か

与党自民党と行政官僚との濃密な関係
「質問とり」、「答弁資料」・・・
圧倒的な組織力を有する官僚機構
官僚による政治家(大臣など)のコントロール

柔軟なボトムアップ型の包括政党
平等な社会  リーダーシップの欠如

派閥の合従連衡(派閥連合としての自民党)

明確な統合機関の欠如
総裁、三役
総務会(30名の総務による全員一致)

与党による事前審査制と族議員の力
「鉄の三角形」と省庁縦割りの割拠体制
政治的リーダーシップの欠如

自民党政権とは・・・

高度に民主的ではあるが
非統合的で求心力のない分断政府であった

自民党の人事システム
当選回数による年功序列システム
潜在的でゆっくりとした競争選抜
派閥によるゼネラリストの育成

当選回数による年功序列システム
一期目 「平」委員
二期目 副部会長~政務次官
三期目 国対委員~広報委・組織委副委員長~部会長
四期目 部会長~副委員長
五期目 国会常任委員会委員長
六期目 大臣として初入閣

潜在的でゆっくりとした競争選抜
初入閣までは横並び
以後は、処遇に大きな格差

六期目(初入閣)までにゆっくりと選抜

年功昇進の裏に隠れた競争
政調会内部の小委員長への就任
総務局長、副幹事長、政調副会長への就任

派閥内部における熾烈な競争
派閥領袖のポストをめぐる熾烈な闘争

全員参加型の平等な競争
派閥領袖の人事権の強大さ


合意重視の意思決定
ボトムアップとコンセンサス

小委員会 ⇒ 部会(←省庁に対応)
「ガス抜き」と「部会長一任」

部会 ⇒ 政調審議会 ⇒総務会
総務会は、全員一致が通例

多元的な仕組みの功罪
おしくらまんじゅう型の参加
部会体制による「仕切られた多元性」

拒否権集団の影響力の強さ
既得権の整理・縮小が困難
時間がかかる、迅速な対応ができない

トップダウンの欠如(決定の先送り)


二頭立ての馬車
政府と与党の二頭立て

与党による事前審査制
省庁担当課(原案作成)⇒与党部会小委員会⇒
部会(原案修正)⇒省庁内他部局との合議調整
⇒与党政調審議会⇒与党総務会⇒閣議決定⇒
国会提出

強すぎる国会と参議院
国会の権限の強さ
議事日程、議決方式の決定←内閣ではなく国会

政府による国会対策としての与党事前審査制
多数派与党から事前了解を取り付ける仕組み
(業界利益団体⇒)与党からの要求をあらかじめ反映

参議院の拒否権の大きさ

共存と非排除
共存と分裂回避~ポストの持ち回り

派閥事務総長会議による根回し

短い総裁任期、小刻みな総裁選
参院選での敗退の責任・・・

権力の分割と共有
巨大なインサイダー政治
業界団体の飲み込み
後援会を通じた有権者の飲み込み
野党の政策と支持者の飲み込み
福祉、年金、公害対策などなど

草の根からの競争と巨大な組織化
(包摂と共存による)インサイダー政治の限界
利権と腐敗  公共財や理念


自民党型「戦後合意」の崩壊
利益の配分から負担の配分へ
分断政府の機能不全
政=官の協働体制のゆらぎ

経済成長の鈍化
グローバル化


歴史的文脈と国際比較
次週、第4章を読む。


レポート課題(その1/2009春)
レポート課題(その1)は次の通りとする。 ■テーマ
「日本の政局について思うこと」
~日本の政局のこれまでとこれから

☆近年の日本の政局について、思うことを自由に展開せよ。

■注意 引用にあたっては、引用部分をかぎかっこで囲むと同時に、引用文献(著者名、著書名、出版社、出版年、ページ)を必ず明示すること。
■提出日 5/19の授業時 (遅れて提出の場合には、5/26の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)

レポートの提出様式について←必ず参照すること(規格外のレポートは受け付けないので注意すること)

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