政治学者 高橋 肇のブログサイト。 政治学を中心とした学術的なテーマを掲載。 その他のテーマは、たかはしはじめ日記へ。

 

Hajime TAKAHASHI's Politics

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2009
01/06
Tue
Category:政治学B(中京八事/2008秋・火3)

「政治学B」(中京八事/2008秋/火3)第13・14回  

格差社会から成熟社会へ
2008 年度秋学期

中京大学「政治学」講義
第13 回~第14 回

『 格差社会から成熟社会へ』 を読む
• 福祉社会
• 労働社会
• 株式社会(経済社会)
• ミクロ社会(生活社会)


格差是正の論理
• 福祉政策と福祉社会(福祉レジーム)
• 労働政策と労働社会
• マクロ経済政策と株式資本社会
• 地域政策、教育政策・・・・とミクロ社会

成熟社会における市民政治
• 市民社会
• 市場経済
• 政治的決定権力

• 市民社会の成熟と民主主義との関係
• 市場経済と民主主義との関係
• 政治的決定権力と民主主義との関係

市民社会・市場経済・政治的決定
• 市民社会の成熟≠民主主義の成熟
– 民主主義成熟には政治的契機が要る

• 市場経済≒自由民主主義
– 親和性、相互規制、相互支持

• すべての政治的決定≠民主主義
– 民主主義手続きを通過しない政治的決定が大多数


市民社会の成熟とは?
• 社会的資本
– 相互利益のための調整と協力を容易にする、ネットワーク、規範、社会的信頼

• 社会的資本∝市民度
• 社会的資本⇒民主主義

• 民主主義の成熟と社会的資本の関係


社会的資本と民主主義
• 社会的資本が民主主義の成熟をもたらすプロセス
• 民主主義的経験が社会的資本の蓄積を促すプロセス

• 12 人の優しい日本人を材料に
– 強制された民主主義的経験と社会的資本の蓄積
– 人的資本の蓄積と民主主義的経験


EXITできないからVOICEする
• 密室に閉じ込められた12 人
• 評決を出すまで退出(EXIT)できない
 ⇒討論(VOICE)せざるを得ない

• 討論と決定の制度的強制という契機
• 強制された政治的経験
• こうした政治的契機がなければ社会的資本の蓄積は促進されなかった


社会的資本・VOICE・民主主義
• 社会的資本はコミュニケーションと発言(VOICE)のプロセスを通じて、民主主義的経験に動員される。
• 民主主義的経験はコミュニケーション(VOICE)のプロセスを通じて、社会的資本を蓄積する。
• コミュニケーションは退出(EXIT)の可能性が閉ざされている場合に活性化しやすい。(沈黙する場合もある)


コミュニケーションの好循環と悪循環
• 市民的対話の水準の高低
• 人的資本の蓄積度
• 退出の可能性
– 個人的退出が可能⇒発言しない/(発言する)
– 集団的退出が可能⇒退出する/発言する

• 社会的資本の蓄積を促すコミュニケーションを強制する政治的契機・制度的契機


市場と民主主義
• 制度としての市場経済
– 人為的な諸制度の複雑なネットワークとしての市場
• 非市場的制度と市場制度
– 企業、契約法、諸制度、国家
⇒諸市場が存在する

• 個人主義的分権システムとしての市場
• 「複雑性の縮減」システムとしての市場
– 個別的意思決定、市場価格、コミュニティと市場


市場を制御するEXITオプション
• 商品を買う/買わない
• 株式を買う/買わない(売却する)

• 他商品・他企業に乗り換える(競争メカニズム)

• 自由な離脱=市場
• 離脱オプションの存在⇒企業間の競争


市場を制御するVOICEオプション
• 消費者からの苦情やモニタリング
• 株主による意見表明
• 従業員(労働者)による意見表明

• 不満を解消(品質を改善)する(改善メカニズム)

• 発言する顧客/離脱する顧客
• 発言オプションの存在⇒企業側の社会的応答


市場を制御する自由主義と民主主義
• 発言オプション∽民主主義原理
• 離脱オプション∽自由主義原理

• 討論による改善
• 競争による改善

• 市場経済の制御≠国有化、民主的規制
• 市場経済の制御=(自由主義+民主主義)
– 株式会社制度や企業情報公開、自由な離脱/自由な発言、株主総会、労働組合、消費者運動


自由主義社会としての市場社会
• 決定権の分散システムとしての市場
– 個人的選択/決定(自由と責任)
– 複雑性の縮減

• 悪魔のひき臼と共同体的規制
– 経済的自由主義と( 共同体的) 社会防衛
– 市場社会と( 共同体的) 制度的制御
– 不確実性の縮減


市場社会と民主主義
• 市場社会と自由主義国家への「あとからの追加」としての民主主義

• 自由主義国家=責任政党制(と立憲主義)

• 多数者の利益⇒競争的政党制⇒政府
• 市場社会⇒個人の平等な権利と機会の平等⇒選挙権要求へ
• 民主主義は、競争的な社会による論理的な要求


市場社会と議会と政府
• 責任政党制とそれに基づく政府は、市場社会の要求でもあった

• 議会と政府とは
– 決定権力を民主主義的に制御するメカニズム
– 民主主義的圧力を制度的に制御するメカニズム

– 市場社会における多数者の利益の変動に反応する政府

– 不確実性の縮減(信用)メカニズムとしての立憲主義


市場社会の制御
• 離脱による制御と発言による制御

• 自由主義的制御と民主主義的制御

• 二つの原理を具体的制度へと設計し実現する
• 制度はいつでも改善に対して開かれている


決定権力の責任と制度的制御
• 複雑化する社会における諸決定の分散
• 決定権者のアカウンタビリティが問われる
– 重大決定であればあるほど社会的責任が問われる
• 離脱と発言を通じて

• 制度的に制御することによる不確実性の縮減
– 立憲制、責任政党制、契約法制、経済法制、労働法制、社会福祉法制 、、、、


市場社会と平等主義
• 市場社会を前提とした平等主義の追求
• 制度的制御を通じた平等主義の追求
• リベラルデモクラシーの枠内での平等主義の追求


• 市場社会と共同体的規制という永遠のテーマ


多元的、多層的、分権的制御
• 複雑性の縮減
– 自由と競争、価格評価、品質評価

• 不確実性の縮減
– 企業における責任経営者制、法制的規制

• 政府間システムの競争と法制的規制


社会的資本の好循環
• 民主的な意思決定という公共への関心
• 自由な意見形成という個人的関心

• 発言⇒信頼と妥協に基づく選択
• 非妥協的選択⇒離脱

• 離脱と発言のバランス
• 自由な意見の形成と意見の修正


過剰蓄積抑止のための制度的制御
過剰蓄積は抑止できるのか?

• 複雑性の縮減メカニズム(=市場社会)の中で実現される諸決定の帰結

• 共同体的規制と制度的制御の設計次第


市民の成熟と政治的契機
• 社会的資本の蓄積を促すような制度的強制

• 人的資本の交流を促すような政治的契機

• 発言の権利と離脱の権利の適切な保障

• 適切な制度の設計と不断の改善


改革型談合について(補論)
• もたれあい型談合(政官業の癒着)
– 業者への過剰利益保障
– 政治家や公務員へのキックバックや便宜
– 税金の無駄遣い
• 改革型談合(政治リーダーによる業の制御)
– 業者への適正価格の強制
– 首長(官の政治的リーダー)による改革行為
– 住民利益の優先

地方行財政改革というミッション
• 財政再建
– 信用と安定性の回復(不確実性の縮減)

• 業の利益と民の利益
– 「不適切な減額が行われているので損害はない」

• 政治的リーダーシップと高い行政能力と業界からの自立

成熟社会における地方自治

• 実力主義でなおかつ平等主義

• 冷酷じゃなくて、冷徹なリーダーシップ

• 人々を幸せにする政治

⇒共同体的規制に関わる制度と運用の改革


政治学B(レポートその3/2008秋)
■テーマ 
  「格差社会 の是正」に関 して、自分の意見を自由に展開せよ。

■提出日 12/16の授業時
(遅れて提出の場合には、1/6の授業時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)


政治学B(レポートその4/2008秋)
 ■テーマ 
授業で学んだことをレポートせよ。

■提出日 1/13の授業時
 (遅れて提出の場合には、1/20の 答案提出時まで受け付ける。その際の評点は80%とする。それ以降の提出は受け付けない。)
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